スター選手インタビュー

 

 

  
 

――今もですか。他の人を見ていると、中には一回上手になってしまったら、しない方もいますよね?
 

川端

うーん、やっぱ、そういう人たちに言いたいのは、もっとやって欲しいよね。うまくなったんだから、もっとやればもっとうまくなれるし。やっぱり人間て段階があってさ、1つの壁を越えてうまくなった時に、またやれば次の壁に行くんですよ。で、その壁を越えるためにまた練習するでしょ?越えたら、またやればまた伸びるっていう。
 


PHOTO:小泉庸子@Tour Tornados Ladies

――限界はない?
 
川端 うん、伸びないことはないし、限界っていうのはやっぱりね、ホントにやればやるだけうまくなるし。「俺ってうまくなってないのかな」とか、「いくらやってもうまくならねぇな」って思うのは、自分で限界があって、今、その限界でつまってるってことだから、それを超えるためには、やっぱりさ、もっと練習して、もっと考えてやるとかしないと。うまくはならないと思うんだよね。
 

――
川端選手は、そういう段階を一杯踏んでこられたんでしょうね、きっと。
 
川端 そうだね、自分でよく考えてたからね。「どうしたら、うまくなんのかな?」って。
 
――やはり川端選手も限界感じる時があるんですね?
川端

うん、あるよね、やっぱり。ま、今はもうそんなことも感じなくなったけど、昔は感じて、それをまた越えたくて、人より沢山練習して。ま、遊んで。
 

  ――何か、そう思って一生懸命やっても、行き詰ってしまう時ってありますよね?
 
川端 うん、そういう時はね、ホントに息抜きすることだよ。違うことをやってみたり、違うスポーツをするとか見てみるとか。そうすると、またなんか違う発想が出るから。そしたら、「あっ、こういうことでももしかしたらホッケーに役に立つのかな?」って、で、今度やると、その壁を越える1つのきっかけになるとか。そういうことがあると思うんですよね。「ただホッケーだけ」っていうのは、やっぱりいいことじゃないし、スポーツはどこでも何でも、やっぱどっかで重なってる部分あるから。やっぱり伸びるためにいろいろ視野を広げて見てみてやってみてっていうのがいいと思うんですよね。
 
――先程も少し出ましたが、川端選手といえば、川端選手のプレイを知る人みんなが口をそろえて「すごい!」と言う、伝説の秘技「ロングバッティングシュート」がありますが、あの秘技はどのようにして生まれたのでしょうか?
 
川端 小さい頃からそれをしたくてバッティングを練習してましたよね。でも、小さい頃でも、アイスの試合の時に、偶然入ったことがあったんですよ。クリアのつもりだったんですけど、ポーンと飛んでいったパックがゴーリーの正面で跳ねて入った。
 
――他にも川端選手のプレーで、はっとさせられたプレーが私はあるのですが。それは「天井フリップパス」でした。その当時は、他では見たことのなかったフリップパスだったので。自陣最終ラインから敵陣トップラインまで、間にいる全てのプレイヤーの頭上を高く飛び越えて、そのパス1本で、それまでの守りの場面が一転して、強力な攻撃の場面に変わってしまうようなものでした。まるで「コロンブスのたまご」を見た人のような気持ちになったのですが、「ロングバッティングシュート」といい、「天井フリップパス」といい、他のプレイヤーには思いもつかないような「コロンブスのたまご」的発想のプレーができてしまうのは、何故なのでしょうか?
 
川端 いつも、どうしたら得点できるかを考えてるからかなぁ?
 
――でも、普通は、届くとはなかなか思いませんよね?
 
川端 いや、今のAプールの人たちなら届きますよ。
 
――だとしても、あまりやろうとする人がいないことは確かですよね?
 
川端 確かだよね。それは自分に自信があるかないかじゃないかな。自分のシュートに自信があるかないか。僕は自分で自分のシュートに自信があるから。ま、自信があるって言ったら天狗ですけど、まぁ、自信を持ってやれるから、打てるのかなって。
 
 
 

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